豊胸シリコンバッグの寿命と寿命を延ばす秘訣
2022.04.14
豊胸豊胸インプラント(シリコンバッグ)は、痩せ型の方でも2カップ以上のサイズアップが可能で、お好みの形やデザインにできるため、人気になっています。
ただし、注意したいのが、「寿命」です。
決して半永久的や一生そのままでいいわけではなく、一般的には、「10年」が平均的な寿命となっています。
そこで今回は、豊胸シリコンバッグの寿命や寿命がきたら起こりうるリスク、寿命がきた場合の対処法、寿命を延ばす秘訣などを、大手美容クリニックで長年マネージャーを務めたプロが、詳しく解説します。
寿命をすぎているのに使い続けると、石灰化や胸の変形、ジェルの漏れなどのリスクがあり、進行していると、切開手術が必要になるケースもあるのです。
これから豊胸シリコンバッグを入れることを検討している方や、すでに手術後である方は、必ず確認しておきましょう。
目次
豊胸シリコンバッグの寿命は約10年
個人差や医師の腕、入れているシリコンバッグの種類などによっても多少変わりますが、豊胸シリコンバッグの寿命は、平均10年とされています。
近年はMotiva(モティバ)などの高性能なシリコンバッグも人気を博していますが、見た目には異常がなかったとしても、10年経つと、なんらかの問題が生じる可能性が高まります。
「半永久」「一生」は根拠がない
クリニックによっては、豊胸シリコンバッグを「半永久的に大きさを保てる」「一生交換する必要がない」と謳っていることもあります。
たしかに近年のシリコンバッグの質は飛躍的に向上しているため、バッグが破損して中身が漏れ出たり、カプセル拘縮などが起こったりするリスクは軽減されています。
ただし、現在使われている豊胸シリコンバッグは、利用されはじめてから15年程度です。
何十年も、まして一生使っていても問題がなかったという前例はないため、過信することは危険です。
FDA(アメリカの医療や食品に関する国家機関)のサイトにも、「豊胸手術は生涯にわたる装置ではありません」と明記されています。
ごく稀に20年以上何の問題もなく使っているというケースもありますが、ほとんどの方は、なんらかの理由で、豊胸シリコンバッグの除去や入れ替えなどの対応が必要になります。
問題がなくてもエコー検査を
最近の豊胸シリコンバッグは品質がアップしているため、破損しにくくなっており、中身が流出することが少なくなっているものもあります。
ですが、それが逆にあだとなってしまい、体内でシリコンバッグに異常があったとしても、気づきにくいというリスクがあるのです。
変形や痛みなど、自覚できる異常がなかったとしても、最低でも10年経っていたら、エコー検査をしてもらいましょう。
エコー検査は、施術をしてもらったクリニックでしてもらえることがほとんどですが、難しい場合は、ほかの豊胸手術を行っているクリニックにお願いしましょう。
寿命がきたら起こりうるリスク
豊胸シリコンバッグの寿命がきたら起こりうるリスクとしては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 胸の変形・硬化
- 胸の石灰化・カプセル拘縮
それぞれ詳しく説明します。
胸の変形・硬化
バストの見た目の異常としてわかりやすいのが、変形や硬化です。
変形は、左右のサイズ差が生じてしまう、胸の一部が突起してしまう、アンダーバストに段差ができてしまう、などの症状があります。
また、胸が石のように硬くなってしまうこともあり、これは、次にご説明するカプセル拘縮や石灰化などが原因となっていることがほとんどです。
胸の石灰化・カプセル拘縮
胸の石灰化やカプセル拘縮も、長年の使用によって起こりうるリスクです。
石灰化が起こると、胸が硬くなり、触り心地も悪くなります。
放置すると、シリコンバッグの破損の原因にもなってしまうため、注意が必要です。
カプセル拘縮も、胸が硬くなったり、形がいびつになってしまったり、触り心地が悪くなったりします。
カプセル拘縮は、豊胸シリコンバッグを入れた方の10人に1人が発症するといわれるトラブルです。
石灰化もカプセル拘縮も、発症した場合は除去手術が必要になりますが、進行していると、切開手術で除去するしかなくなることもあります。
そのため、少しでも異常を感じたら、すぐに検査をしてもらうことが大切です。
石灰化やカプセル拘縮などが起こるかどうかは、個人差もありますが、医師の技術力も大きく関係します。
手術の実績が少なく、うまくない医師に施術してもらうと、それだけ石灰化やカプセル拘縮を起こすリスクが高くなってしまいます。
そのため、シリコンバッグ豊胸手術をする場合は、豊胸手術の名医に依頼することが大切です。
有名なクリニックなら安心、医師歴が長いから安心というわけではないため、くれぐれも注意して選ぶようにしましょう。
寿命がきた場合の対処法
豊胸シリコンバッグの寿命がきてしまい、なんらかの対応が必要だと医師に判断された場合、主に以下のような対処法になります。
- シリコンバッグの除去のみ
- シリコンバッグの入れ替え
- シリコンバッグ除去&ヒアルロン酸注入
- シリコンバッグ除去&脂肪注入
医師とも相談して、対応を考えましょう。
シリコンバッグの除去のみ
もっとも手軽にできるのが、シリコンバッグの除去のみを行う方法です。
メリット
・費用を抑えられる
・ダウンタイムが少ない
デメリット
・胸が垂れてしまう可能性がある
・胸が陥没する可能性がある
施術はもっとも簡単ですが、それまでシリコンバッグを入れていたところが空洞になってしまうため、皮膚が伸び、胸が垂れてしまう可能性があります。
また、シリコンバッグを挿入していた期間が長ければ長いほど周辺の組織への影響が大きいため、胸が陥没してしまうこともあるのです。
挿入期間が長く、挿入していたサイズが大きいほどこれらのリスクが高くなりますので、除去した場合はどうなるか、事前にしっかり医師に相談しましょう。
シリコンバッグの入れ替え
シリコンバッグを除去し、その後に新たなシリコンバッグを再挿入する方法もあります。
メリット
・大きさが維持でき、周囲にバレにくい
デメリット
・同様のトラブルが起こる可能性がある
再度同じようなサイズのバッグを挿入できれば、除去したことも気づかれにくいのがメリットです。
ただし、カプセル拘縮の症状が強い場合、状態が悪化することも考えられるため、適応外となってしまうこともあるため、注意が必要です。
また、何回も入れ替えすると、カプセル拘縮やリップリングのリスクが高まる可能性があります。
無限に入れ替えをできるわけではないということは、覚えておきましょう。
シリコンバッグ除去&ヒアルロン酸注入
シリコンバッグを除去した後、別のバッグを入れ直すのではなく、ヒアルロン酸を注入するという方法もあります。
メリット
・手術が短時間で完了する
・ダウンタイムが軽い
デメリット
・持続期間が短い
・サイズは1カップアップ程度
ヒアルロン酸注入豊胸は、手術も短時間で終わり、ダウンタイムも豊胸手術の中ではもっとも軽いことから、手軽にできる豊胸手術とされています。
ただし、持続期間は短く、平均して半年~1年程度、長くても2年となっています。
少しずつ小さくなっていくため、再度注入する必要がでてきます。
また、シリコンバッグ豊胸のように2カップ以上のサイズアップも可能なわけではなく、平均して1カップ、大きくても2カップまでです。
シリコンバッグ除去&脂肪注入
ヒアルロン酸以外にも、ご自身の脂肪を吸引し、バストに注入する脂肪注入豊胸も可能です。
メリット
・自然な見た目・触り心地になる
・定着すれば半永久的に持続(入れ替える必要がない)
・部分痩せが可能
・人工物ではないため、安全性が高い
デメリット
・痩せ型では難しいことがある
・サイズアップは2カップ程度が平均
・しこりや石灰化の可能性がある
豊胸手術の中でも、近年もっとも人気なのが、脂肪注入豊胸です。
部分痩せが可能で、ご自身の脂肪を注入するため、見た目、触り心地がもっとも自然になりやすいのが特徴です。
また、定着すれば、半永久的に持続するため、問題がなければ、入れ替えなどの必要もありません。
ただし、ご自身の脂肪を吸引してバストに注入するため、吸引できる脂肪が少ない痩せ型の方は難しいことがあり、シリコンバッグ豊胸のように、好きなサイズにできるわけではありません。
また、しこりや石灰化のリスクもゼロではありません。
脂肪注入豊胸手術は、ほかの豊胸手術に比べ、医師の腕の高さが求められます。
うまい医師に依頼すれば、しこりや石灰化のリスクも下げられ、場合によっては痩せ型の方でも施術は可能です。
シリコンバッグの寿命を延ばす秘訣
シリコンバッグには寿命があるとはいえ、15年使い続けているケースもあるため、寿命を延ばすことは不可能ではありません。
ポイントは、シリコンバッグの種類と、医師の技術力です。
近年はモティバなど、従来のシリコンバッグよりも寿命が長いとされているシリコンバッグもでてきています。
価格は高くなってしまいますが、長持ちさせたい方は、検討してみましょう。
また、さらに大切なのが、ドクターの腕です。
技術が未熟なドクターの場合、石灰化やカプセル拘縮のリスクが高くなってしまい、早い段階で除去しなくてはならなくなってしまうこともあります。
シリコンバッグ豊胸手術の実績が豊富な医師を選んで施術してもらうことが大切です。
まとめ
豊胸シリコンバッグの寿命は、一般的には10年です。
寿命をすぎると、胸の変形や硬化などが生じる可能性があり、場合によっては、切開手術で除去する必要があります。
異常がなかったとしても、見た目ではわからないこともあるため、10年経ったら、エコー検査を受けるようにしましょう。
寿命がきた場合、バッグの除去、入れ替え、バッグのかわりにヒアルロン酸や自身の脂肪を入れ替えるなどの方法があります。
シリコンバッグを少しでも長もちさせるには、名医に施術してもらうことが大切です。
口コミなども参考にし、シリコンバック豊胸手術の実績が多く、腕のいい医師に依頼するようにしましょう。
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